ソルフェージュというと、一見なんだか堅苦しくて難しいもの。というイメージをもたれる方が多いかもしれません。しかし、コダーイメソッドのソルフェージュは全く違います。日本のわらべうたから始め、子ども達がまるで遊んでいるかのように楽しく活動でき、しかも知らず知らずのうちに音楽の深い深い世界が理解できるようになる!…そんな素晴らしい方法なのです。
ところが、残念なことに、これまで日本では、その細かい段階や、具体的で十分な『活動素材』が示されていませんでした。そのため、せっかくわらべうたで素晴らしい音楽性が育ってきても、子ども達にその先の深い音楽の世界を体験させることができずにいる…というようなケースも多かったように思います。
そこで、今回、この作成検討会を立ち上げることによって、みんなの力で「子ども達が身につけてゆくべきべき音楽的な能力を段階的に整理し、「そのために必要な楽しく具体的な活動素材づくり」を進めていこう!ということなのです。[何をするのか?]
●各学年で子ども達が身につけてゆくべきべき音楽的な能力を細かく整理し、表にまとめていく。
●その能力を伸ばしてゆくために必要となる、具体的で、音楽的で、楽しいソルフェージュ課題をたくさん集め、資料集を作成をする。
去る5月13日、東京中野で行われた第一回目の話し合いの報告です。
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[第一回目 検討内容の報告]
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【各学年の到達基準(案)】
‥《ソルフェージュ10級レベル》‥ 【歌い方】 ⚫︎自立して音の高さ・テンポを保って歌える(遊べる)わらべうたが8曲以上ある。 ⚫︎同、唱えたり、リズム叩きしたり、リズム唱できる歌が5曲以上ある。 ⚫︎ヒントや連想から、わらべうたを思い起こすことができる。 ⚫︎新しいわらべうたを聞いて覚えることができる。 ⚫︎他の人が歌った《替え歌》《ふしのうたい変え》を聞いてすぐに正確に再現できる。 ⚫︎知っている歌を、安定した声で《大きな声》《小さな声》で歌うことができる。 【内的聴感】 ⚫︎ハミングで歌われたメロディーを聞いて、何のわらべうたか当てることができる。 ⚫︎知っている歌を言葉なし《ハミングやラララなど‥》で歌うことができる。 【ソルミゼーション】 《ミ-レ-ド-ラ、》 ⚫︎ハンドサインで表わすことができる。 ⚫︎ハミングで歌われたモチーフを聞いて、すぐにソルミゼーションで歌い返せる。 ⚫︎レター譜を読んで歌うことができる。 ⚫︎知っている歌の五線譜を見てソルミゼーションで歌うことができる。 ⚫︎楽譜を見ずに、よく知っているわらべうたをソルミゼーションで歌うことがでる。 ⚫︎玉置き盤に、知っている歌のモチーフを正しい順番に並べて置くことができる。 【リズム】 ⚫︎リズムだけを聞き、すぐに何の歌か当てることができる。 ⚫︎知っている歌のリズムだけを叩くことができる。 ⚫︎簡単なリズムパターンを聞いてすぐに叩き返すことができる。(2〜4小節) ⚫︎リズムカードを見て、すぐにそのリズムを正確に叩くことができる。 ⚫︎知っている歌の楽譜を見てリズムの名前で歌うことができる。(リズム唱) ⚫︎知っている歌を、楽譜を見ずにリズム唱することができる。 ⚫︎2拍子の曲の楽譜に小節線を書き込むことができる。 【多声】 ⚫︎歌いながら、簡単なリズムオスティナートを叩くことができる。 ⚫︎簡単なリズム伴奏を付けて歌うことができる。(二人組で)(一人でも) 【即興と形】 ⚫︎教師のヒントから、簡単なリズムを作ることができる。 ⚫︎教師のヒントから、簡単なメロディーを作ることができる
‥《ソルフェージュ9級レベル》‥ 【歌い方】 ⚫︎より変化あるわらべうたを、歌の雰囲気を出して楽しく美しく遊ぶことができる。(6曲以上) 《創意ある形で輪になったりほどいたり、特定の仲間を中に入れたり、人の動きを見ながら歌う‥等。》 ⚫︎自立して音の高さ・テンポを保って歌える子どもらしい短い季節の歌、生活の歌、友だちの歌などがある。(8曲以上) ⚫︎何かのテーマでまとめられる〝歌の花束〟が2〜3種類ある。 ⚫︎同、唱えたり、リズム叩きしたり、リズム唱したり、ソルミゼーションで歌える歌が5曲以上ある。 ⚫︎クラスやグループで、より溶け合った声で歌おうとしている。 ⚫︎知っている歌を、《大きな声》《小さな声》に加え、《中くらいの声》でも歌うことができる。 ⚫︎中くらいのテンポと、より快活なテンポの曲を区別して歌うことができる。 【内的聴感】 ⚫︎知っている歌を言葉なし《ハミングやラララなど‥》で歌い継ぐことができる。 ⚫︎(同)高さを替えても歌い継ぐことができる。 ⚫︎教師の合図によって曲の一部分をサイレント唱にすることができる。 【ソルミゼーション】 《ラ-ソ-ミ-レ-ド-ラ、-ソ、》 ⚫︎それぞれの音の高さを聞き分け、ハンドサインで表わすことができる。 ⚫︎ハミングで歌われたモチーフを聞いてソルミゼーションで歌い返すことができる。 ⚫︎よく知っている歌のレター譜を読んでソルミゼーションで歌うことができる。 ⚫︎よく知っている短い歌の五線譜を読んでソルミゼーションで歌うことができる。 ⚫︎(同)楽譜を見ずにソルミゼーションで歌うことができる。 ⚫︎メロディーモチーフカードを見て、 《歌い返し》《曲順の並べ替え》《曲当て》ができる。 ⚫︎(同)五線によるカードでできる。 ⚫︎よく知っている歌の一部分を五線譜に書くことができる。(リズムと音) ⚫︎初めて見たごく簡単なモチーフの楽譜を見て、教師の助けを借りながら正確に音にすることができる。 【リズム】 《シンコペーション、付点四分音符、十六分音符、八分休符を含む。》 ⚫︎リズムパターンを聞いてすぐに叩き返すことができる。 ⚫︎リズムパターンを聞いてすぐにリズム唱することができる。 ⚫︎より長いリズムを聞いて記憶から再現することができる。 ⚫︎リズムのカードを見て叩くことができる。 ⚫︎知っている歌の楽譜を見てリズム唱できる。 ⚫︎知っている歌を、楽譜を見ずにリズム唱できる。 ⚫︎教師の叩くリズムの変化が加えられた箇所にすぐに気づくことができる。 ⚫︎4拍子を意識できる。 【多声】 ⚫︎簡単な歌をカノンで歌うことができる。 ⚫︎簡単な歌を歌とリズムのカノンができる。 ⚫︎簡単な歌のリズム同士のカノンができる。 ⚫︎ごく簡単な2声歌唱ができる。 《メロディーオスティナート》 《ドローン》《クオドリべ》等 【即興と形】 ⚫︎色々なリズムパターンを思いついて叩くことができる。 ⚫︎簡単な言葉の替え歌やメロディーの作り替えができる。 ⚫︎2小節のメロディーモチーフを思いついて歌うことができる。 《3〜4種類の音の中で》 ⚫︎知っている歌の《同じ部分》《似ている部分》に気づくことができる。 ⚫︎違う歌の中から《似ている部分》を探すことができる。
‥《ソルフェージュ8級レベル》‥ 【歌い方】 ⚫︎自然な呼吸、合理的な発声で歌っている。 ⚫︎跳躍する音も含めて清潔な音程で歌えている ⚫︎歌の流れ(なめらかさ、勢い等)を感じ取りながら表現している。 ⚫︎他の子の声、歌い方などにも注目し、クラスやグループのよく溶け合った音色を目指して歌っている。 ⚫︎クラス全体で協力し、その歌らしい表情、雰囲気で歌える曲が15曲以上ある。(一部、ルネサンス以前の歌も含む)(個人でも5曲以上) ⚫︎年齢にふさわしい表情、雰囲気をもって、やや舞踏的に、また創意ある隊形で遊べるわらべうた(民謡)が数曲ある。 【ソルミゼーション】 《ド'ラソミレドラソ,》 ペンタコルド《ソファミレド》 《ミレドティ,ラ,》 ↑ ⚫︎音の高さを聞き分けハンドサイン ⚫︎ハミングで歌われたモチーフを聞いてソルミゼーション ⚫︎ハンドサインを見てソルミゼーション ⚫︎レター譜を読んでソルミゼーション ⚫︎五線譜を読んでソルミゼーション 【多声】 ⚫︎二人組で美しく、楽しく、いきいきと交互唱できる歌(数曲) ⚫︎(同)半音を使わない易しいビチニア(数曲) ⚫︎易しいカノンの曲(2〜3曲) ⚫︎
次回実行委員会は↓
6月11日(日)12時半〜中野のピッツァリア(中野駅徒歩5分)で行われます!(※ご参加いただける方は、わらコネット事務局まで!)(^^)/~~~
目次
- 0.0.1 ソルフェージュというと、一見なんだか堅苦しくて難しいもの。というイメージをもたれる方が多いかもしれません。しかし、コダーイメソッドのソルフェージュは全く違います。日本のわらべうたから始め、子ども達がまるで遊んでいるかのように楽しく活動でき、しかも知らず知らずのうちに音楽の深い深い世界が理解できるようになる!…そんな素晴らしい方法なのです。
- 0.0.2 ところが、残念なことに、これまで日本では、その細かい段階や、具体的で十分な『活動素材』が示されていませんでした。そのため、せっかくわらべうたで素晴らしい音楽性が育ってきても、子ども達にその先の深い音楽の世界を体験させることができずにいる…というようなケースも多かったように思います。
- 0.0.3 そこで、今回、この作成検討会を立ち上げることによって、みんなの力で「子ども達が身につけてゆくべきべき音楽的な能力を段階的に整理し、「そのために必要な楽しく具体的な活動素材づくり」を進めていこう!ということなのです。[何をするのか?]●各学年で子ども達が身につけてゆくべきべき音楽的な能力を細かく整理し、表にまとめていく。●その能力を伸ばしてゆくために必要となる、具体的で、音楽的で、楽しいソルフェージュ課題をたくさん集め、資料集を作成をする。
- 0.0.4 去る5月13日、東京中野で行われた第一回目の話し合いの報告です。
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- 2 [第一回目 検討内容の報告]
- 3 次回実行委員会は↓
主催者名が明示されていないのですが、本澤さんが中心となってされるのですか、コダーイ芸術教育研究所でしょうか。
どのような会になるか、興味深々です。
伊藤先生
ご投稿ありがとうございました!^ – ^ 主催者名は今 記事に書かさせていただきました。
この検定大会によって、コダーイメソッドの素晴らしさを全国に広めていく‥とともに、全国で頑張っている子ども達の大きな励みになる!と信じています。そして、さらに‥
これから膨大な数の(楽しい)ソルフェージュ課題の作成作業に入るわけですが、その活動を通して、たくさんの有能な指導者が育ってくれることも期待しています。是非、名古屋の方々のご協力もお待ちしています。
(^^)/~~~